キケンな言動の例⑦
ノルマに追われ融資を内諾する代わりに預かり資産の購入をお願いした…

こんなことしていませんか
若手渉外担当者Gさんは、期末が迫っている中で、預かり資産のノルマが達成できておらず、そのことに強いプレッシャーを感じていた。そうした中で、融資の申込みを行ってきた取引先へ訪問することに。預かり資産のノルマをクリアしたかったGさんは、その取引先に対して、「融資を内諾する代わりに預かり資産を購入してもらえないか」とお願いした─。

長引く超低金利時代を背景として、金融機関にとって融資や預金による収益性が低迷しています。その中で預かり資産の「手数料収入」は、金融機関の収益源として期待されている背景も見受けられます。

このような背景で、以下のようなことはしていないでしょうか。

  • 融資の相談を受けた顧客に、融資を通す代わりとして、預かり資産商品の契約を約束または示唆する行為

  • 過去の融資に恩を着せて、今度は「こちらのノルマに協力してほしい」として預かり資産商品の契約を依頼する行為

融資を望む顧客にとって、金融機関から融資を受けられなくなると事業活動等に支障を来すという状況は珍しくないものです。

また、金融機関は融資取引の可否や継続に係る審査(判断)を行う立場にあり、場合によっては条件を提示する立場にあります。

よって、特に融資を通じて、金融機関のほうが顧客よりも優位な立場にあるとされます。この立場を利用して融資と関係ない商品などの購入や契約をさせること・示唆することは「優越的地位の濫用」と見なされます。

優越的地位の濫用は、独占禁止法や銀行法などで禁止されている法令違反行為となります。

利用者の需要に応え取り扱いを始めた経緯がある