金融,営業
(画像=PIXTA)

地域金融機関も、資格取得にとどまらず提案に磨きをかけている。

社会的にITやデジタルトランスフォーメーション(DX)を取り入れる動きが活発化する中で、金融業界でもデジタルに精通した人材育成が盛んになっている。

象徴的なのはメガバンクの動きだ。各行がIT分野の投資を拡大しているうえ、三菱UFJ銀行が全行員にDX教育を施すことが報じられており、力の入れようが際立つ。

一方、地方銀行の取組みも進展している。背景には営業面における危機感があるようだ。「ITに関する知識は、かつては専担部署だけが分かっていればいいという認識だったが、現在は取引先から選ばれるために欠かせない」(信用金庫のシステム担当者)との認識が広がっているという。

例えば常陽銀行(茨城県)は2021年10月、主に営業店の法人担当者が取得する行内資格「DXアドバイザー制度」を新設した。取引先に対してデジタル技術による本業支援に取り組む役割で、様々な協業事業者とともに、電子帳簿保存法に関わる業務の電子化や業務効率化に関わるシステムなどを提案している。

資格は「DXサポーター」「DXアドバイザー」「DXシニアアドバイザー」と順に上がる3段構成。IT関連の基礎知識を身に付ければ取得できるDXサポーターから始めて、専門的な知識の習得や提案実績に応じて上の資格を獲得する流れだ。すでに複数の案件で成約して上位資格を見込む担当者もいるという。

10月末で1300人のDXサポーターは、21年度末までに1500人に増やし、22年度末までに上位資格であるDXアドバイザー100人認定を目指す。知識習得のための勉強会なども充実させ、ITの基礎知識を網羅した国家資格「ITパスポート(通称アイパス)」の有資格者は700人を超える。

「アイパス」は登竜門に過ぎない