ニューノーマル時代の経営学5
(画像=PIXTA)

まずはIT支援を行う際の基本ポイントと、取引先の課題・ITレベルが分かるチェックシートを紹介する。

IT化・デジタル化は今や国内産業にとって切っても切り離せない経営テーマとなっている。金融機関でみれば、自行庫のIT化も大事だが、それと並んで「取引先へのIT支援」も重要だろう。特にIT化が遅れている中小企業と取引が多い地域金融機関の担当者なら、相談を受けどんな支援が必要か検討したこともあるはずだ。

専門家やIT事業者のマッチングが中心

ただ一口に「IT化」といってもその範囲は広い。「ホームページを作りたい」「エクセルで在庫管理したい」といったITの第一歩といえるものもあれば、「顧客分析ができるデジタルマーケティングソリューションを導入したい」「カスタマーサービスをAI(人工知能)化したい」など、DX(デジタル・トランスフォーメーション)につながるシステム導入を検討する取引先もある。

簡単なものであれば金融機関の担当者もアドバイスできるかもしれないが、高度なITシステムの導入となれば、専門家やIT事業者(以下、専門家等)を紹介することになるだろう。その意味で金融機関によるIT支援は、取引先と専門家等をどれだけスムーズにマッチングできるかが問われるといえる。

だが、「とりあえず知っている専門家等を紹介すればよいだろう」というスタンスでは、せっかくマッチングしてもスムーズには進まない。

中小企業は大企業に比べてITリテラシーが低いことが多い。そのため「知っているベンダーに相談したら、必要ない高額なITシステムを薦められた」「高度なITスキルが必要なシステムを導入してしまい、使いこなせていない」といった失敗をしてしまうことも少なくないのだ。

取引先に不要なシステムを薦めたのが、自行庫が紹介した専門家等だったら──仲介した金融機関の信頼も失墜することになる。

課題が分からないままIT支援に入ると…