予算,社長
(画像=ryanking999/PIXTA)

両者は一体不可分と考え正しく支店経営を実践

マネジメント力とリーダーシップ力は一体

本連載も今回が最終回である。連載の総括として支店長に求められる「マネジメント力」と「リーダーシップ力」について考えてみたい。

マネジメント力は「物事を正しく行う」力である。支店長は、取引先(お客様)対応、業績・収益管理、事務管理(法令遵守を含む)、人事管理(モチベーション向上を含む)、リスク管理(パワハラ・セクハラ防止を含む)、スケジュール管理等々、支店経営のすべてについて自行庫の経営理念、行動指針、経営計画、標準手続きやシステム、頭取・理事長・役員からの指示等に沿って「正しく」マネジメント(管理)しなければならない。

対処すべき課題や改善点等が生じた場合には、適切に判断し指示し、その結果をフォローするマネジメントサイクルを回さなければならない。

リーダーシップ力は「中長期的観点・視野に立って変革や改善の方向性を明快に示し、部下を動機付けしながら牽引していく」力だ。

リーダーシップについては古今東西多くの名著で述べられ、名経営者が語っている。

例えば、ジョン・P・コッターの『第2版リーダーシップ論』(ダイヤモンド社)では、「変革の方向性を決めるのはリーダーシップの基本といえる」「正しい方向に無理やり向かわせるのではなく、達成感、帰属意識、正当な評価、自尊心、人間の基本的欲求を満たす、動機づけ、触発することもリーダーの役割」だと述べている。

このようにマネジメント力とリーダーシップ力は、一般的に別物として定義される。しかし、経営の現場では一体不可分に発揮される。マネジメント力には「課題に対する改善や変革の方向性を明確に示し、モチベーションを上げながら部下を導いていく」優れたリーダーシップ力が欠かせない。「より多くの職務を熟知し、諸事万端(しょじばんたん)正確・迅速に対応できる」優れたマネジメント力がなければ、課題も発見できず部下の信頼も得られず、リーダーシップ力を発揮することはできない。

また、その実践スタイルは千差万別である。人にはそれぞれ持ち味(強み、弱み)があり性格も異なる。支店長も頭取・理事長も取引先経営者も、能弁で派手なタイプから、訥弁(とつべん)で地味なタイプまで、実に多様だ。

実践スタイルがどうあれ評価するモノサシはただ1つ。「より優れた結果(成果)を継続的に出しているかどうか」だけである。創意工夫し内省しながら不断に鍛錬し、自分自身のスタイルを生み出していくことが大切だ。

名支店長には真摯さや謙虚さも不可欠