ニューノーマル時代の経営学1
(画像=PIXTA)

適切な人材紹介を実現するため、経営課題をどう発掘し、どんなトークで課題を明確化するかみていく。

1 的確な人材紹介を目指しまずは経営課題をつかもう

人材紹介はあくまで取引先の経営課題を解決する1つの手段に過ぎない。場合によっては、人材採用よりも、業務フローの見直しによる「ムリ・ムダ」の排除や社内人材の配置換えのほうが、望ましいケースもある。

それだけに金融機関の担当者は、ヒアリングした表面的なニーズから、取引先の真の経営課題まで掘り下げるよう心がけたい。

例えば、取引先から「店舗の販売員を増やしたい」と言われたとしよう。表面的なニーズは「販売員の増員」だが、この背景には必ず何らかの経営課題が潜んでいる。

担当者がヒアリングした結果、取引先から「提案すればより多くの売上を見込める来店客がいるものの、売り逃しが発生している」と言われたら、売り逃しが発生している理由も掘り下げよう。それが「お客様に精算を待たせてしまった」ということなら、セルフ精算レジ導入等により精算時間を短縮する方法が適しているかもしれない。

同様に「商品説明ができなかったから」売り逃しが発生しているなら、POPで分かりやすい商品説明を表示したり、商品陳列棚のどこに何を置いてあるのかを分かりやすく表示したりすることで対応できるかもしれない。

このように真の経営課題は何かを深掘りしたうえで、本当に必要であれば人材紹介を提案するようにしたい。

事業性評価の観点で強みや課題を探る