保険募集,保険案内,保険提案,50代
(画像=ペイレスイメージズ1(モデル)/PIXTA)

老後の資金作りを目的として変額個人年金保険への加入を希望している50代のお客様

「老後の資金」というと、お客様の課題認識やニーズははっきりしていそうですが、実はそうではないことが少なくありません。 

そのため、お客様の言葉や私達の先入観によるプロダクトプッシュではなく、お客様を知り、問題を発見し、課題解決の提案をするスタンスで臨むという、意向確認から提案へのプロセスは不変といえます。 

老後の何が不安なのか具体的な言葉にしていく 

①お客様の希望を確認する 

まずはじめは、対象をはっきりとさせることです。お客様は「老後」というワードに引っ張られてしまい、その先が思考停止になっていることがあります。老後が不安では、先に進めないので、老後の何が不安なのかを具体的な言葉にしていきましょう。老後の悩みは、将来の自分自身なのか、将来の家族なのか、だれの資金に不安を感じているのか、この年代のお客様であれば、おそらく両方の可能性が高いと考えられますので、不安な理由はハッキリしていても、言葉にすることが大切です。 

将来の支出には、計画できる支出と突然の支出があります。計画できる支出は、老後の生活資金以外にないでしょう。突然の支出、あるいはリスクという点では、病気、介護、本人の死去(収入が途絶える)が考えられます。 

老後という言葉を、改めて具体的な支出内容として置き換えると、「元気だった場合の老後の生活資金が足りないのでは」という不安と、リスクとしての死亡や介護に対して同程度の不安を感じているかもしれません。 

したがって、運用に偏るわけでもなく、突然のリスクに備えるのだけが目的でもなく、両方を同様に捉えているという想定でお客様の意向把握を進めていけば、大きく外れることはないと考えられます(図表1)。

『バンクビジネス』より引用
(画像=『バンクビジネス』より引用)

会話の際、お客様には「両方とも同じように不安な部分があるということかもしれませんね」と話し、確認するのもよいでしょう。 

介護保障が必要かどうか慎重に検討する 

②詳細を確認して輪郭をはっきりさせる

運用という観点では、すでに手元にあるまとまった資金を運用するのか、これから少しずつ資金を捻出して運用するのかということがあります。50代であれば、どちらのケースも考えられ、もしかすると、本人の親の世代に相続が発生し、相続財産を引き継いでいる可能性もあります。 

しかし、退職金はまだ入っていない年代でもあるので、ここから積み立てるケースが多いと考えられます。保険という観点では、死亡や高度障害に備えたいのか、自身の介護の発生に対して備えたいのかなど、考えたい突然の事態が何なのかを確認します。 

この世代は、特に死亡のリスクに関して、親世代の相続に関する話や経験を通じて、リアルに意識していることが多いでしょう。また、介護に関しても親の介護を経験し、家族に自身の介護による経済的負担を負わせたくないという想いがあっても不思議ではありません。 

実際の提案に際しては、介護に対する保障を含めると選択する商品や条件が変わってくるので、慎重に検討する必要があります。 

資産形成した結果の受取方法に関しては、一定の時期に一括で受け取りたいのか、年金として受け取りたいのか、できる限り保障を続けたいのかなどがありますが、老後の資金ニーズということを考慮すると、潜在的には年金受取りのニーズが大きいかもしれません。 

介護保障と死亡保険金の2つを丁寧に説明する

③解決する商品を提案する

このようなお客様の課題解決には、変額年金保険が役に立ちそうです。50代という、いわゆる老後が目の前に迫ってくる圧迫感を感じる中、老後の資金不安は高まるものの、低金利の環境下で定期預金の金利は期待できず、公的年金だけで足りるのかという不安も当然といえます。 

変額年金は、資産を円建てや外貨建ての株式や債券を中心に運用し、運用の実績によって死亡保険金や年金原資、解約返戻金が増減する保険です。 

50代であれば、きたるべき老後に向けて運用する時間はまだ残されています。投資信託のように積極的に運用するので、保険を契約している長期間、運用することにより成果を期待できます。 

もちろん、運用状況によって資産価値変動するので、将来的に年金の形で受け取ることになる経済的メリットは、あらかじめ予測することはできません。 

運用の成果は、具体的には3つのパターンのいずれかで享受できます。 

第一は、契約期間中に相続が発生した際に、死亡保険金が基本保険金を上回るケースです。変額個人年金保険は、年金支払開始日前に被保険者が死亡した場合、死亡給付金が受け取れます。死亡給付金は運用の成果に応じて支払われるので、運用が好調であれば死亡給付金も増加します。 

なお、死亡保険金や高度障害に関して、最低保証のある商品とない商品があるので、しっかりと説明しておきましょう。この点を除けば、通常の変額保険と変わりません。 

本人に、もしものことがあったときに、運用成果は死亡給付金という形で受け取ることができるので、残された家族に不安を残さないというニーズに応えることができます。 

また、最近は介護保障が付加されているタイプも人気があります。介護はいつだれに起きるか予想できませんので、自分自身が介護状態になったときに備え、せめて家族の経済的負担を減らす、公的介護保険でカバーできない部分を下支えするという役目を果たします。 

どのような状態になったら保障が受けられるかという点については、公的介護保険と異なります。お客様にとっては大切で関心が高い事項なので、丁寧に説明しましょう。 

第二は、払込期間中にもしものことがなければ、払込期間が終了し、決められた年齢になると、運用実績に応じた年金額として受け取れるケースです。公的年金をカバーするというお客様の最大のニーズを満たせます。 

円建て保険と異なり、運用成果が期待できるので、運用の成果次第では受取年金額が増加し、ゆとりある老後生活を送るための原資となります。 

第三に、契約途中で解約して資産を受け取る解約返戻金が払込額を上回るケースです。 

『バンクビジネス』より引用
(画像=『バンクビジネス』より引用)

個人年金保険料控除の提案もメリットになる 

④メリットとリスクを説明する 

変額保険のメリットの第一はインフレに強いという点です。資金を特別勘定で運用することにより、インフレの影響で値上がりする資産価格を、特別勘定の資産価格の増加として享受することができます。 

これにより、死亡保険金額や解約返戻金、年金原資の額が運用実績に応じて、増える可能性があります。 

お客様の元々の不安は、自身の老後の生活資金であり、年金原資を運用で増やせる可能性があるというのが、変額年金保険を利用する最大の目的であり、かつ最大のメリットでもあります。 

メリットの第二は、生命保険料控除の対象となる点です。 有期型と終身型は、一般生命保険料控除の対象になるのに対して、年金型は個人年金保険料控除の対象になり、一定の条件を満たしていれば、所得税と住民税の負担が軽減されます。 

お客様でも、一般生命保険料控除を利用している人は多いですが、個人年金保険料控除の利用者はまだまだ少ないので、提案を通じて利用することによって、メリットを享受できるかもしれません。 

一方で最大のリスクは、他の変額保険同様に、運用によって損失が生じる可能性があるという点です。解約返戻金、死亡保険金(一部商品を除く)、年金原資のすべてにおいて、最低保証はありません。運用実績によっては、大きな損失が生じることもあるということです。 

『バンクビジネス』より引用
(画像=『バンクビジネス』より引用)

年金受給額は毎回異なることを説明する 

⑤誤解しやすいポイントを説明する 

お客様の意向が固まってきたら最後にもう一度、お客様にとって不利益を被る誤解しやすいポイントについて指差し確認をしておきましょう。 

一番大切な点は、解約返戻金、死亡保険金(一部商品を除く)、年金原資のすべてにおいて最低保証はないという点です。 

お客様の一番の目的である将来受け取るであろう年金の支払額が運用の成果に左右されます。好調な運用結果となれば支給額は大きくなりますが、逆に不調に終われば、受け取る年金額は期待を下回る結果となることを入念に説明しなければなりません。 

特に誤認されやすいのが、一部商品を除き、死亡保険金に最低保証がついていないという点です。「他の変額年金の死亡保険金に最低保証がついているので、変額年金保険にも当然のようについているだろう」とお客様が思い込んでしまうことがあります。 

後からトラブルになりやすい事項の1つとして、年金支払開始後も変動年金額は年金支払日ごとに再計算されることにより、毎年の年金額が一定ではないという点があります。 

年金受取りというと、どうしても「毎回年金の受取額は同じように受け取れる」と思ってしまいがちですので、毎回異なることを入念に説明しましょう。 

また、変額年金保険に加入する際に、健康状態の告知や医師の診断が必要となるものがあります。一般的には、告知書の提出や、医師の診査は必要ないことがほとんどです。 

しかし、保険会社や保険商品によっては告知書の提出や医師の診査が必要になる場合もあります。書類の準備など自体が手間になりますし、場合によってはお客様は加入したいのに、体調が悪く加入できないこともあります。これは、トラブルにつながる可能性があるので、事前に伝えておく必要があります。 

提案を進める際のポイント 

• 老後に対する不安の中でも、老後の何が不安に感じているのかを、言葉にして具体化し、対応策を提案する
• 変額年金保険加入時に、保険会社や商品によって告知書の提出や医師の診査が必要な場合もあるので事前に伝える

上村 武雄 ノット・アドバイザーズ 代表