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(画像=PIXTA)

適切な伴走支援を実現するため、支援前の段階における訪問時や連絡時にどんな点を確認すべきか解説しよう


本稿では、金融機関の担当者が伴走支援を適切に行うために、本格的な支援に入る前の訪問や電話連絡でどんなことを心がけたりチェックしたりすればよいか、ポイントを述べたい。

地域企業の経営情報を提供して人間関係構築

①「うわさ話」で経営者と人間関係を築く

伴走支援を行うには、まず先に中小企業の経営者と「人間関係」を作っていくことが必要不可欠だ。

皆さんは、経営者との信頼関係を高めるコミュニケーション手段として何を思い浮かべるだろうか。時候の挨拶を済ませたら、次にどんな会話を展開するとよいか、考えてみよう。

いろいろな回答があると思うが、有益なものの1つに「うわさ話」がある。ちょっと下世話に聞こえるだろうが、人のうわさほど関心を惹くものはない。

金融機関はこの点で有利な立場にある。他社の経営情報を保有しているからだ。もちろん、他社の経営情報をそのまま伝えることは情報漏えいであり許されないが、守秘義務違反とならないように手持ちの情報を加工して提供してあげると喜ばれるはずだ。

例えば、営業エリアなどから抽出した複数の企業の情報を活用する。「売上高」や「営業利益(率)、経常利益(率)」「借入金残高」「役員報酬、役員賞与、役員退職金」といった項目を、業種別・地域別・規模(年商・従業員数・資本金)別に集計し、グラフを用いて分かりやすく資料化するとよい。それを提示しながら、経営者と話をしてみよう。きっと会話が盛り上がる。

他社の情報だからといって軽んじないほうがよい。経営者は案外、こうした情報で励まされたり、刺激されたり、時には教訓を得たりするものだ。何よりこうした資料提供を続けていれば、経営者は担当者の訪問を楽しみにしてくれる。いずれは、難しい経営指標分析にも耳を傾けてくれるかもしれない。ぜひ、こうした資料を本部と制作してはどうだろうか。それが適切な伴走支援に役立つはずだ。

後継者候補の動向も確認することが必須