外債投資動向
(画像=PIXTA)

Q そもそも、どうして企業の財務分析を行う必要があるのでしょうか?

A 財務分析は企業にとっての健康診断。与信判断だけでなく、経営支援に活かすことができます

金融機関の法人担当者の代表的な業務は「融資」であり、必要なスキルは「財務分析」である。金融機関を取り巻く環境は大きく変化しているが、この事実は変わらないだろう。決算書などから経営の実態を読み解く――この実務を通じて身に付けられる「財務分析力」は、金融機関勤務で得られるスキルとして誇れるものだ。筆者自身の経験からも断言できる。

ところが昨今、法人担当者の財務分析に対する関心は薄れている。利ザヤが縮小している中で時間も限られている法人担当者は、より多くの融資を獲得するために、キャッシュフローが潤沢な優良企業への営業に集中しがちだ。財務分析は面倒な「作業」としか考えなくなってしまう。

これでは金融機関の法人担当者としての武器を捨てているようなものである。重要なのは、財務分析を与信判断ツールで終わらせないことだ。その活用方法に着目すれば財務分析という仕事はもう一度輝きを取り戻し、法人担当者も強みを発揮できる。

財務分析は人の健康診断に近い