
(画像=PIXTA)
- 銀行員の質問
- 取引先からインボイス制度について聞かれました。これはどのような制度でしょうか。また取引先はこの制度に対応することでどんなメリットがあるのでしょうか?
A 取引先の中に輸出入取引を行う企業があれば、「invoice(インボイス)」という言葉を耳にしたことがあるだろう。invoiceは海外へ荷物を送る際に必要な書類で、荷送人(におくりにん)がその荷物の内容物・数量・価格・代金の支払方法などを記して、荷受人(にうけにん)に送付する「送り状」のことをいう。
このinvoiceを語源とするインボイス制度とは、簡単にいえば仕入に係る消費税額の控除について定めた制度である。
インボイス制度が導入されると、商品の売り手が買い手に対して取引内容やその取引に適用される消費税率、消費税額などを正確に伝えるために「適格請求書=インボイス(以下、インボイス)」を発行してその写しを保存しておくことが必要になる。
一方、買い手は売り手から受け取ったインボイスを保存することにより、商品の仕入に係る消費税を控除することができる。インボイス制度の正式名称は、「適格請求書等保存方式」といい、2023年(令和5年)10月1日に導入される。
ここで、消費税の仕組みをおさらいしておこう。消費税は、消費者が商品の購入時に負担した消費税を、その商品の製造や販売に関わった事業者それぞれが、売上代金と一緒に預かった消費税から、その仕入代金と一緒に支払った消費税を控除して納税する仕組みとなっている。こうした「仕入税額控除」の方式の1つがインボイス制度である。