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(画像=Sexmidnight/Shutterstock.com)

融資実務と、その法的性質や内規の意味合い・背景の関係を把握しておくと…稟議書やセールストークの説得力にも違いが出ます!

第13回のテーマ
「面前自署」って何?どうして面前での自署が重要なの?

金融機関の融資規程には、契約の意思確認として、「契約者本人の面前自署・押印」を原則とする旨の規定が設けられています。

民法第522条(契約の成立と方式)は、「契約は、その内容を示して締結を申し入れる意思表示(申込み)に対して、相手方が承諾したときに成立する」と規定しています。また同条第2項は、法令に特別の定めがある場合を除くとしたうえで、「書面の作成その他の方式を具備することを要しない」とも規定されています。

金融機関等の貸金業者は、貸金業法第16条の2および第17条により、契約締結前・締結時の書面の交付について規定されています。

よって貸付に係る各種契約では、民法第548条の2に基づく、金融機関側で制定した契約書や約定書等の書面(定型約款)へ、契約者の自署と押印を求めて契約を交わします。

契約者の意思確認として、契約者本人から面前での自署・押印を求めるのは、法的な要件である契約者の「意思表示」が、事後に否認されることに対抗するために行われるものです。

ちなみに、融資に係る契約(内容)はその実行で終わるものではなく、完済されるまでが契約期間となります。面前自署・押印は契約(約定)どおりに返済ができなくなった際、自行庫側からの督促により、契約締結時の「意思表示」の真実性を疎明することに効果を生みます。

契約時の契約内容の確認も意思表示同様に重要