
(画像=PIXTA)
多くの後継者が苦手とする金融機関との付き合い方や財務をどう学んでもらうか解説する。
1 後継者が財務を苦手とする理由と金融機関が行うべきサポート
最初に、筆者がある金融機関の担当者から聞いた話を紹介しよう。コロナ禍で今後の業績に不安を抱える会社の経営者から次のような相談があったそうだ。
「この会社を創業して30年になる。私も65歳になったので近い将来、息子に事業を引き継ぎたいと思っているのだが、肝心の息子がどうも頼りなく思えてしまう。私は創業時から金融機関と相談しながら資金繰りを見てきた。創業するまで決算書なんか見たこともなかったが、経営を進める中で自然と財務の知識も身に付いていった。こうした経営や財務についての知識を息子にしっかり引き継ぎたいのだが、どうすればいいか…」
実は、後継者に関してこのような悩みを抱える経営者は決して少なくない。金融機関の担当者としてどのような支援ができるだろうか。