バイデン政権1年の評価
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政権肝入りの対策が始まる。中小企業にとっても、他人事ではなさそうだ。

岸田文雄政権が今国会に「経済安全保障推進法案」を提出した。法案が成立すれば、2023年度から段階的に施行される見込みだ。

経済安全保障とは、経済活動に関して行われる国家および国民の安全を害する行為を未然に防止するという考え方である。法案には、戦略物資のサプライチェーン強化、基幹インフラに対する事前審査などが盛り込まれた。

岸田政権がこのような法案の成立を目指してきた背景にあるのは、中国やロシアといった覇権主義的な行動をとる国によって、日本国内の経済活動が阻害される懸念が高まっていることだ。

特に中国については、米国とのハイテク技術をめぐる覇権争いが強まっている。トランプ前政権の頃から米国は対抗措置を講じてきた。中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)などの機器を国内から排除することを決め、同盟国にも同様の対応を要請。バイデン政権でも様々な措置を講じている(図表1)。

近代セールス
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そして法案成立への機運を高めたのが、今年2月以降のロシアによるウクライナへの軍事侵攻だ。その情勢を受けて、法案の国会提出にあたっては与党のみならず野党も賛成の姿勢をみせた。

侵攻直前にはロシアがウクライナの国営銀行に対してサイバー攻撃を行ったことが疑われている。これにとどまらず、ロシアが経済制裁への報復をするために、日本や米国、欧州各国の企業に対してサイバー攻撃に踏み切る懸念も強まっている。当然、企業がサイバー攻撃を受ければ事業活動が滞り、経済社会が脅かされてしまう。

戦略物資の供給など4つの分野で対策