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Part 2 商品・制度ごとの仕組みと注意点
- 1 仕組債
- 投資信託や一般債券と異なる商品構造で価格変動も大きい
仕組債とは、債券と金融派生商品(デリバティブ)を組み合わせた金融商品。「高利回りが期待できる」との触れ込みで高齢者を中心に人気が出ている。近年は地銀で販売が増加しており、金融庁のデータによると、地銀の仕組債の販売額は2020年度で約7000億円に達している。16年度と比較して2倍超だ(図表)。

(画像=近代セールス)
しかし、仕組債は通常の債券とは異なる商品構造をもち、価格変動が大きく、場合によっては額面割れで償還になってしまう。
例えば、仕組債の一種である「日経平均リンク債」は、日経平均株価の変動によって受け取る利益が変わる。償還金額が変動するタイプは、株価観察期間中に日経平均株価が設定水準以下になると、元本は額面金額ではなく、日経平均株価に連動した金額で償還される。利率が変動するタイプは、利率決定日に日経平均株価が設定された基準以上であれば高い利率となり、基準以下であれば低い利率が適用される。
同様に代表的な仕組債の一種である「EB債」は、債券発行体以外の企業の株式に転換する条件が付いた債券だ。対象企業株価があらかじめ決められた条件に該当すると、償還時に当初のままではなく転換対象の株式で受け取る。