激変値,提案,ヒアリング,アドバイス
(画像=ふじよ/PIXTA)

激変値③ 売上減少で在庫を圧縮しても資金が不足している

「負の運転資金」で余分な在庫を積み増していないか確認しよう

運転資金がどの程度あるかは、貸借対照表から判断します。売掛の回収と買掛の支払いが同じ期間の場合、在庫資金=運転資金といえます。ただし、業種によっては売掛と買掛で期間の長さが違うので、運転資金の動きには注意が必要です。 

仕入先と販売先がともに事業者の場合は、回収・支払期間を同じにして、在庫資金と運転資金が同額となることが多いです。卸売業や部品製造業などがそれにあたります。 

一方、仕入先が事業者で、販売先が消費者の場合、仕入れは掛仕入れで支払いが遅く、買掛金が滞留し、回収は消費者から現金回収し、売掛金が発生しません。小売業や注文建築業などがこれにあたります。 

注意を要するのは後者です。売上が増加もしくは横ばいのときは、運転資金がかからないか資金余剰、すなわち「負の運転資金」となります(図表)。このとき、つい在庫を膨らませてしまいがちです。注文建築業者が余剰資金で建売土地に手を出してしまうのはこのケースです。