激変値,ヒアリング,アドバイス,提案
(画像=ふじよ/PIXTA)

激変値⑤ 流動資産が大きく変動している

過剰在庫の発生原因が一過性か恒常性のものかを確認し対策を

ここでは粉飾決算に使われやすい流動資産の「棚卸資産勘定」と「その他流動資産勘定」について説明します。まずは棚卸資産が変動する場合を見ていきましょう。 

棚卸資産勘定とは、商品や仕掛品などの在庫を意味するもので、利益調整に使われやすい勘定科目の1つであるため、決算書をチェックする際には特に注意しなければなりません。 

たとえ粉飾目的ではない棚卸資産の増加であったとしても、過剰在庫は在庫費用の増加などにつながり、結果的に収益に悪影響を及ぼすため、過剰在庫の発生原因は確認する必要があります。 

発生原因としては、商品の生産計画と販売計画にそもそもミスマッチがあった、販売計画どおりに商品の販売が進まなかったなどが考えられます。計画のミスマッチが生じているときは、生産計画の策定方法を見直す必要があります。 

販売が計画どおりに進んでいないときは、それがコロナ禍の影響などの一過性な要因なのか、それとも強力な競合商品が発売されたことによる商品需要の減退など、恒常的な要因なのかを確認して対策を検討しなければなりません。 

故意に期末棚卸高を増加させていることも…