過度なプレミアム剝落で、日本株はすでに適正水準
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資金繰り等支援 業績別に場合分けし中長期の手当を検討

2 具体的な支援策の検討と実施のためのポイントを押さえよう

本特集ではここまで、新型コロナウイルス感染拡大の長期化やウクライナ危機の影響を踏まえ、営業店の取引先が抱える課題のヒアリング・実態把握の方法、当局による中小企業支援の政策が述べられてきた。

本稿ではそうした実態把握の結果を踏まえ、実際に金融機関としてどんな支援策が考えられるのか、資金繰り等支援の観点で考えていこう。

実態把握の結果で「場合分け」してみる

支援の方向性を検討する際は、ヒアリングで把握した実態を踏まえて「場合分け」を行うと進めやすい。例えば、取引先の企業業績を軸として次の3つのように場合分けできる。

タイプA…本業は堅調な取引先。ウクライナ危機以降の影響は多少受けており、将来的な不安がある状態

タイプB…経営悪化先。コロナ禍やウクライナ危機により、従来は堅調だった事業内容が大幅に悪化している

タイプC…経営不振先。従来から慢性的に業況が悪く、コロナ禍やウクライナ危機以降、さらに苦境に陥っている

事業者ごとに詳細な実態は千差万別だが、業績に着目するとこの3パターンに大別できよう。それぞれの状況に応じて、資金繰り支援の考え方が変わってくる。

以下では3つの場合分けのそれぞれで、金融機関がどのように対応できるのかみていこう。

近代セールス
(画像=近代セールス)

タイプA 本業は堅調な取引先