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(画像=PIXTA)

Q 企業の財務分析に取り組むときは、B/SとP/Lのどちらから始めて、どう進めればいいのでしょうか?

A 経営の積み重ねを読み取れるB/Sから始めるのがお勧め。まずは資産の合計に着目してみましょう

前回、企業の経営は「調達と運用を最適化して利益を最大化する行為」であり、それはB/S(調達と運用)とP/L(利益)の数字として表れるという原則を説明した。この原則を財務分析の基礎として、今回から具体的な分析手法の解説に入っていこう。

まず、決算書の主役であるB/SとP/Lのうち、どちらが重要でどちらを優先して分析すべきだろうか?

筆者は、B/Sを優先すべきと考える。P/Lは決算期中の事業活動の結果である一方で、B/Sは設立当初から決算期までの事業活動の蓄積であるからだ。企業には、業績が良かった時期もあれば悪かった時期もあるだろう。そのすべてが年輪のように積み重なることからB/Sは「企業の顔」ともいわれ、企業を知る好材料となっている。

また、前回でも述べたように、企業の経営はB/Sの資産を通じた「調達→運用→回収」という順で進むことからも、B/Sから財務分析を始めると理解しやすい。

原理原則に着目した5つの手順で分析