
(画像=PIXTA)
各行思惑はあるが、サービス開始には足並みを揃えることが肝要だ。
この秋にも始まる予定となっているスマートフォン向け少額決済インフラ「ことら」。低コストで個人が送金できる画期的な仕組みとして一時は注目を集めたが、参加行からは開始をアピールする声がなかなか聞こえてこない。「やるからには多くの人たちに使ってもらいたいのだが…」と、メガバンク関係者も頭を抱える。
「ことら」とは「小口トランスファー」が由来で、三菱UFJ銀行など3メガバンク、りそな銀行、埼玉りそな銀行の5行が立ち上げたスマホ向け少額決済インフラだ。2021年7月、この5行が決済インフラ会社「株式会社ことら」を設立した。すでに地方銀行をはじめとする30弱の金融機関が、システムに参加することを決めている。
このサービスでは、10万円以下の送金がほぼ無料になるなど、ATMに比べて大幅に安い手数料で送金が可能となる。これによって、若年層の送金需要を取り込み、スマホ送金サービスで先を行くIT企業への対抗を目指す。
先々は、キャッシュカードにデビットカード機能を付帯するサービス「Jデビット」に参加する全国の地銀や信用金庫に参加を呼びかけ、銀行発のスマホ送金サービスとして普及させる構想だ。