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運転資金の種類ごとに、その性質や適正な融資金額の算出方法などの基本を解説する。
運転資金とは、ひと言でいうと「企業が事業を行っていくために必要な諸々の支払いに充てる資金」のことである。
例えば、原材料や商品の仕入れ費用が目的として挙げられる。卸売業・小売業では、商品を販売するために、先に商品を仕入れなければならない。製造業では、製品を製造するためにまずは材料を仕入れなければならず、自社で製造できない部分は外注することも多い。また事業を行うにあたり、人件費、事務所・店舗・工場等の家賃、水道代・電気代などの経費も必要である。
これらの事業運営に必要となる諸経費は、売上の入金よりも先に支払う必要が出てくる。しかし、すべてを自己資金で賄える企業は少ない。そこで多くの企業は、金融機関からの融資で運転資金を工面している(図表1)。

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金融機関の担当者としては、企業に対するヒアリングで運転資金のニーズを拾い上げて融資を提案することで、より多くの案件を獲得したいところだ。また稟議書を作成する際に審査を通しやすくするためには、運転資金が必要となる理由を理論立てて書くことが重要である。まずは運転資金の背景や、その融資の仕組みを理解することから始めよう。