
(画像=安琦王/stock.adobe.com)
CASE3 工場新設など新事業の案件
投資利益率・回収期間も考慮した形で投資効果や効果発生時期を見極める
今回は、工場の新設をはじめとする大型の設備建築や、新事業の進出に伴う設備購入など、会社の事業全体に関わる案件の検討方法をみていく。
まずはこうした案件を発掘する方法だ。
最近は顕在化していて分かりやすい設備投資案件が多くはない。一方で、会社の事業の拡大や転換を伴うような大型の設備案件なら、企業側も内部で時間をかけて検討しているものだ。その検討内容を企業が口外できる段階で担当者が案件をつかむには、日頃から企業動向を把握して確認することが重要だ。
このとき、設備資金の需要だけを探すのではなく、同時に運転資金の需要にも目を向けることが有効だ。運転資金は会社の経費に対する融資、設備資金は将来の投資に対する融資だ。設備資金と運転資金のうち、お互いに関連している資金の動きを探れば、案件発掘につながる。
例えば、運転資金の中でも人件費や外注費など、設備案件に関わる試算表の動きに着目しておくとよい。日頃から信頼関係を築いておき、試算表の変化をつかんだら声をかけ、事業計画に関わる相談を持ちかけられる流れを作る。これが効率的に大口設備資金を獲得する鍵といえよう。