よくある状況別 複合的な融資案件の見極めと提案はこう進めよう【2】
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②設備導入に伴って増加運転資金も必要になる先

先行運転資金額や将来の増加運転資金額を予定受注額の推移から把握して算出する

設備投資は、目的に応じて生産性/非生産性の投資に分類される。前者の中で、生産能力向上・販売力拡充といった拡大投資となる案件では、これに伴い運転資金が必要になるケースが多い。

本ケースのB社は地元中堅の金属加工業者で、産業用機械メーカーへ金属部品を供給している。大口取引先X社からシリンダー加工の量産受注について打診があったが、加工に使うマシニングセンター(以下、MC)は現状フル稼働で、受注するには新たなMCの導入が必要だ。そこで自行は、中古MCの購入資金6000万円、売上増加(2億4000万円見込み)に伴う運転資金借入れについてB社から相談を受けた。

量産体制移行までの進行に無理はないかみる