オンライン連動でMBA知識を学ぶ!取引先への経営支援スキルアップ講座
(画像=Tsuboya/stock.adobe.com)

▼今回取り上げる取引先は…

材料費比率が上昇しているC社

事業内容:カット野菜の受注生産を行う食品加工業者
資本金1,000万円、年間売上高2億円、従業員数30名。
主要顧客は総菜や冷凍食品の製造業者


C社は、千切りや角切りなどに加工した調理用のカット野菜を生産・販売している。もともとは農業法人Xが、サイズも形状もバラバラで市場に出荷できない規格外野菜の有効活用としてカット野菜の加工を始め、受注量の増加により100%出資子会社としてC社が独立した。農業法人X時代の加工部門責任者がC社社長となり、全体の経営管理の他に営業活動も担っている。現在パート社員27名と、製造責任者として正社員の製造リーダー3名がいる。

カット野菜の需要が年々増加している中、新鮮な野菜の調達力を強みに売上を伸ばしてきたが、近年は売上高に対する材料費比率が徐々に上昇する「悪い結果」が続いている。社長は、まず作業方法面の原因を解決したいと考えている。

材料費比率の上昇について社長が現場観察をしたところ、使用できる部分の野菜の廃棄や、カット形状の間違いなどの加工ミスによる廃棄(加工ロスの発生)の問題点に気付いた。規格外野菜を使用するC社の加工は機械化が難しく、手作業が多い。洗浄や皮むきなどの下処理は、1つずつ変色や傷みがある部分などの使用できないところを取り除きながら行う。野菜カットも手作業であるが、千切りのみ専用の機械がある。

パート社員へのアンケートでは「規格外野菜の下処理や使用できる部分の判断・カットは各自に任されている」(自己流の作業)ことや、「規格外野菜の加工方法について教育を受けていない」(教育不足)という問題点も見つかった。C社には短時間のパート社員が多く、入社後は衛生管理などの簡易な研修があるのみである。規格外野菜の下処理や使える部分の判断、加工方法のコツをまとめた資料は存在するが、内容が細かく、教育体制が整っていない。

社長は、「どの問題点を解決すれば最も効果的に材料費比率を下げられるか」と悩んでいる。

解説