段取りで説得力を高める!通る融資稟議の作り方
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Q 稟議書に添付する資料は、どのように準備すればいいですか?

A 稟議の趣旨に則り、問題点や検証すべきことなど補足事項を用意しましょう

稟議書にエビデンスとして添付する資料を作成する際は、稟議書で示すべきポイントを理解しておくことが大切だ。稟議書の成否を左右するのは所見欄である。そこには①資金の必要性、②必要金額の妥当性、③返済財源と返済可能性、④融資条件、⑤案件採上げの意義――といった要素を明瞭簡潔にまとめるのが望ましい。

所見欄では、案件に取り組む際の「問題点」を記載することも大切だ。資金が必要になる背景として、業況や足元の資金繰りといった課題に触れるケースはイメージしやすいだろう。ほかにも、前回融資日から時期を置かずに同じ資金使途で受けた申込みや、業績不振先からピークの貸出残高を超える申込みがあった場合などは、経緯や背景を説明しておこう。

問題を記載したら、その結果も加えられるとよい。例えば「資金使途は商品仕入資金の申込みであったが、決裁者の指示で確認すると、実は滞留在庫の見合い資金だった」という場合がある。廉価販売で処分するなど、滞留在庫の換金計画を取引先から確認して所見欄に記載したい。

問題点に触れることなく取り繕う稟議書を作成しても、いずれ辻褄が合わなくなり、本当に商品仕入資金が必要なときに資金調達が難しくなってしまう。重要なのは、事実と実態に即して案件を検討すること。常識に照らし、「これは本当に普通なのか」と問題意識をもって取り組もう。

投資効果を検証しエビデンスとして添付