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信用金庫は総代会改革でガバナンスを向上させよう!
6月、信用金庫や信用組合で、年に一度の総代会が一斉に開催された。「協同組織金融機関の最高議決機関」であるはずだが、機能しているとは言い難い。その改善策をここに提言する。
信用金庫では、会員の代表である「総代」で構成される総代会において、会社の役員に当たる理事や監事が選任される。そして理事で構成される理事会の決定に基づいて運営されるのが、信用金庫の業務運営の基本だ。
事業会社が株式会社の場合は、基本的な方針や重要な事項の意思決定を株主総会で行う。株主からの質問に備えるため、想定問答集などで経営陣は入念に準備する。会場に収まりきらない数の株主が集まることや、相次ぐ質問で議事進行が遅れて丸一日かかることも珍しくない。
一方、信用金庫の総代会の出席者は総代に限られるうえに、質問が出るのもまれだ。議事は予定調和で進行して1時間程度で終了するので、理事長が大きなプレッシャーを感じることもない。そもそも株式会社の銀行に比べると、株価変動という市場による評価メカニズムもなく、外部から経営をけん制する仕組みは実質的にないような状態だ。