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▼今回取り上げる取引先は…
若年層向け商品の販売強化を目指すD社
事業内容:高級菓子の製造、販売
資本金1,000万円、年間売上高は約8億円、
従業員数は非正規社員を含め約90名
D社は、地元で有名な高級菓子を製造し、直営店や地元スーパーでセット販売をしている(バラ売りはしていない)。こだわりの生菓子や焼き菓子は高価格だが品質が良い。主に中高年層の顧客のお祝いや手土産などに利用されており、創業以来売上を伸ばしてきた。しかし、近年売上が減少している。
顧客アンケートでは、多数の中高年層から「他社より新商品が少ない」、少数の若年層から「高価で普段は買えない」という意見が集まった。どの年齢層も味についての評価は高かった。将来の主要顧客層となる若年層の取込みが先決と考えた経営幹部は、各部署に若年層向け販売強化アイデアをまとめる指示をした。
まとめた若年層向け販売強化アイデアは既存策の微修正が多く、若年層向けならではの新しい販売強化アイデアはなかった。念のため、若手社員を集めてその販売強化アイデアを示したところ、「私なら買わない」という反応が多かった。さらにヒアリングを進めると、若手社員の話で、既存策にない新しい販売強化アイデアは、上司が却下したことが分かったのだ。
若年層に近い若手社員のアイデアを重視したい経営幹部は、改めて若手社員にアイデアを出してほしいと伝えたが、一度、アイデアを却下された若手社員のモチベーションは上がってこない。どうすれば、若手社員の意欲を高め、若年層への販売強化につながるアイデアをどんどん出してもらえるようになるのか、経営幹部は悩んでいる。