投資,ビジネスマン
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人への投資のあり方を金融機関は再定義せよ

研修体系を整え、資格の取得をサポートしてきた金融業界。だが、もはやそれが動機づけとして機能しない昨今、人材投資の考え方や手法を根底から見直すべきだ。

厚生労働省が企業の能力開発の実態を調査している「能力開発基本調査」の2021年度版が、6月に公表された。これによると、OFF-JTや自己啓発といった教育訓練費用のどちらかを支出した企業は50.5%で、両方に支出した企業は19.7%。従業員一人当たりのOFF-JT費用平均額は1.2万円、自己啓発費用の平均額は0.3万円だった。

一方で、社会人が自ら行った自己啓発は、2018年度の内閣府・年次経済財政報告によると、25〜64歳のうち大学等の機関で教育を受けている人の割合は2.4%と、イギリスの16%、アメリカの14%、OECDの11%を大きく下回っている。データのある28カ国中最下位だ。

つまり、企業ばかりか、人自身も人に投資していないのが現実といえよう。

横並びゆえに機能する人材投資