ライフプラン,キャリアプラン,人生設計
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本特別企画では、お客様のライフプランを把握するためにはどんなことが必要なのか学びます。後編では、具体的なケースを挙げてヒアリングのポイントについて解説します。

執筆 FP オフィス「あしたば」 安藤宏和

バンクビジネス
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ライフプランを把握するためには、お客様の「属性(年齢や置かれている状況など)」によってアプローチを変える必要があります。属性によりニーズや悩みは近い傾向にあり、それに合わせた質問・言い回しをすることでスムーズにヒアリングを進められます。 

属性の中で重要な項目は「世代」です。人は生まれてから様々なライフイベントを経験します。一般的には、児童・学生→就職→結婚→出産→子育て→マイホーム購入→子どもの独立→定年退職→年金受給といった流れです。昨今では価値観やライフスタイルの多様化が進み、結婚・出産時期や働き方など幅が広がりましたが、ニーズや悩み・不安なことは同じ世代で近くなる傾向にあります。 

もちろん個人で考え方や環境は異なりますので、ある程度柔軟に考える必要はありますが、世代を意識してアプローチを変える必要があります。 

大きく20~30歳代と40~50歳代以降に分けて考えるとよいでしょう。20~30歳代は「結婚」「子ども」に関連して様々なライフイベントが待ち構えています。ですから、「将来を具体的にイメージする」「ライフプランは変化する可能性がある」ことを伝えましょう。 

一方、40~50歳代は、多くのライフイベントを経験し、家族構成や住居などに変化がなくなっている可能性が高く、老後の方向性がある程度見えている世代です。自身で将来をイメージしている人の場合には、それを掘り下げていきましょう。 

なお「世代」以外の属性では「子どもがいるか」に注意すべきです。これによって資金計画は大きく変わりますし、いない場合には「望んでいる(いた)かどうか」という点にも配慮しながらヒアリングを進めていく必要があるでしょう。 

case.1 教育費・住宅・老後と今後のお金について悩んでいる30歳代夫婦
子どもに関する意向やキャリアプランを丁寧にヒアリングする