オンライン連動でMBA知識を学ぶ!取引先への経営支援スキルアップ講座
(画像=VolodymyrChaban/stock.adobe.com)

▼今回取り上げる取引先は…

主力製品のほかにも取引依頼を受けているE社

事業内容:国産無農薬ハーブの製造・販売
資本金1,000万円、年間売上高は8,000万円、従業員数は8名。
主要顧客は大手製薬メーカー甲社


E社は国産ハーブの栽培から粉末加工までを行う製造業者だ。無農薬の自然栽培や厳格な衛生管理体制による品質の高さを売りにして、同業他社との差別化を図っている。栽培しているのは自生由来のハーブで、種の仕入は行っていない。現在のE社の主力製品は、大手製薬メーカー甲社と取引している「Zハーブ」である。

E社は創業3年目で甲社との取引を開始して以来、甲社からの納期や品質に関する要請に対して安定した納品体制を維持してきた。甲社はこの体制を評価し、取引を10年間継続している。

E社の売上高のうち、甲社向けの売上高は約80%を占める。しかし近年は、Zハーブを使用する甲社製品の小売店陳列量が増えているにもかかわらず、受注量は一定のままだった。ハーブ生産は、比較的少ない資金で参入でき法規制も緩いといわれている。さらに市場も拡大傾向にあるため新規参入が増えており、Zハーブより安価な、海外産の同品種ハーブが国内で流通し始めている。実際、これまで甲社からは値引要請が数回あり、E社は可能な範囲で対応してきた。

他方で、E社は余っているハーブ栽培用の土地を一部利用して、抗酸化作用を有する「Yハーブ」を研究用に栽培している。最近、丙社からYハーブの取引依頼があった。丙社は高価格帯製品の強化を計画しており、抗酸化作用がある国内産Yハーブの品質の高さや自然栽培に目を付けた。加えて、甲社と10年間の取引実績がある点を評価していたのだ。また、丙社から提示されたYハーブの取引価格は、以前甲社に確認したものより高かった。

甲社からの値引要請を引き受けていたため、ここ数年のE社の売上高総利益率は低下していた。そこでE社は、一定の受注を確保している甲社向けの営業を強化するか、丙社の取引依頼を受けて丙社向けの販売を強化するか悩んでいる。

解説