事業性評価で使える雑談術
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着眼点③従業員

近代セールス
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採用・定着状況や雰囲気で事業の安定性を判断

従業員は、企業の経営状態や経営の考え方をつかめる要素だ。主な着眼点と声かけの例を挙げよう。

声かけ例①「従業員さんの挨拶は素晴らしいですね。何か秘訣はありますか」

事務所の雰囲気が明るいと生産性が高く、コミュニケーションがとれている職場といえる。中小企業では代表者によって企業のあり方が全く変わってくるため、社長の考え方や、その考え方が従業員一人ひとりに行きわたっているのか、挨拶の話題をきっかけとして社長の従業員教育への関与度合いを確認したい。

また、事務所内の整理整頓ができているか、従業員の服装がビジネスマナーを意識した服装かも確認したい。身だしなみは好印象を相手に与えられるチャンスであり、従業員教育が行き届いていることは強みといえる。

声かけ例②「新しい従業員さんの出勤カード(タイムカード)がありますね。新規採用されたのでしょうか」

従業員の動向は企業の今後を左右する大切な要素だ。新たに採用している場合は増員採用か補充採用か内訳を確認したい。従業員の定着率が高いことや新規従業員の採用は企業ブランド価値向上にもつながり強みとなる。

増員採用であれば、業容拡大や新分野への取組みなどを推測できるので、今後の経営の方向性を確認する。新分野への取組みは経営環境変化への対応であり、新規市場拡大の機会と捉えられる。

一方、補充採用であれば前任者の退職理由が出産や転勤など明確な理由であればよいが、ベテラン従業員の退職でその退職理由が不明の場合は注意が必要だ。

従業員の年齢構成や若手の定着率を確認