事業性評価で使える雑談術
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case2 利益は安定しているが経営者が高齢で後継者未定のB社

工程ごとに社長の影響を分析し事業継続性を見極め融資可能に

B社はY市駅前の一等地や地元百貨店内に店舗を構える、老舗の高級和菓子店である。地元での知名度は高く、贈答品やお土産としても好評だ。業歴は古く経営は堅調だが、現社長は78歳と高齢で、後継者が不在である。

メイン行のX銀行は毎年、年度資金としてB社に5年の長期資金を約定弁済付きで対応してきた。今年も対応時期が迫るなか、X銀行担当者の上席は、社長が高齢であることを理由に長期資金の対応に難色を示している。

ただ、現時点で安定した黒字経営を続けるB社に対し、今後のリスクを踏まえた短期資金への変更や追加担保の要求は難しい。

そこで担当者は、B社の経営が継続する可能性を判断するため、事業性評価を実施することにした。ポイントは、高齢の社長が不在となった場合でも安定した黒字経営が継続できるかどうかである。

組織構造を把握しバリューチェーン分析