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口座開設後の管理はこんな点に注意して行おう

ここでは、口座開設後の管理の必要性を理解したうえで、口座開設後の対応のポイントを解説します。

口座開設後の管理について 説明するにあたっては、 その前提として、マネロン等対 策とはどのようなものであり、 どうして口座開設後も管理しな ければならないのかについてま ず触れておきます。

リスクベース・アプローチが対策の根幹

マネロン等対策では、自らが直面しているリスクを適時・適切に特定・評価し、評価したリスクの度合いに見合った(適合する)対策(リスク低減措置)を講ずることが重要です。このような対応方法を「リスクベース・アプローチ」といい、マネロン等対策の根幹をなすものです。

マネロン等対策を国際的に推進しているFATFは、世界中の国々が遵守すべき国際基準である勧告の中で、各国(金融機関等の特定事業者を含む)に対して、リスクベース・アプローチを導入し、リスクの特定・評価・低減に向けた取組みを行うことを求めています。

リスクベース・アプローチについては、特にマネロン等対策に限ったものではなく、リスク管理が必要な様々な分野で利用され、典型的な対応方法となっています。

そのポイントは、リスクが高いお客様や取引に対して重点的に対応する(チェックや監視を強化する)ことで、自社のリスク管理の実効性を高め、最大限の効果を得ることです。

言い換えると、すべての取引・顧客を一律に取り扱うのではなく、自社にとってリスクの高い取引・顧客に対して重点的に対応したほうが、最大限の効果が得られることになります。

①リスクの特定・評価

リスクベース・アプローチを用いて最大限の効果を得るためには、その前提として、自社にとって「リスク」が高いと考えられる取引・顧客を漏れなく特定し、その影響度を評価しなければなりません。もう少し具体的に検討してみましょう。

マネロン等対策におけるリスクとは、マネロンやテロ資金供与、その他、脱税や汚職等を含む様々な不正取引が、金融商品・サービスやシステムを悪用して起こっている(起こる可能性がある)場合や、危険な兆候が見られる場合等をいいます。

そして、そのリスクについて、「頻度( 回数)」と「影響度」等を総合的に勘案・検証して、その程度を評価し、リスクの高低を決定します。

暴力団員等の反社会的勢力や、制裁対象者との取引は1件でもあってはならず、そのような者との取引が社会的に知れたら、その影響は計り知れないものとなります。したがって、このようなお客様との取引は、頻度に関わらず、影響度が極めて高いために、謝絶方針で臨むことにしていると思います。

このように、マネロン等対策においては、金融機関が提供する「商品・サービス」「取引形態」「国・地域」および「顧客属性」のリスク要因ごとに、どのような顧客・取引が不正取引に悪用される可能性があるかを特定し、その頻度や影響度を踏まえてリスクの高低を評価することから始まります。

②顧客管理とは