銀行員
(画像=PIXTA)

CASE 6
これまで動きがなかった外国人の口座にいきなり外国送金があった

ここまでのケースは外国人が送金依頼人でしたが、本ケースは逆に外国人が海外からの送金を受ける被仕向側となった場合の対応です。しかも、これまで数年間動きがなかった預金口座に、突然海外からの送金が入金されたという事例です。

過去数年間にわたって動きのなかった預金口座に、いきなり入金が発生すると、多くの金融機関ではモニタリングレポートという形でアラート(警告)が出るはずです。本ケースでも、外国人の預金口座に、おそらくアラートが発出されていることでしょう。

この場合、お客様が来店しないなら、金融機関のほうから連絡を取り、お客様に入金があったことを認識しているか確認してください。お客様が入金の事実を知らないというのであれば、預金口座の不正利用も疑われるところです。

一方で、本ケースのように外国人のお客様が払戻しのために来店したなら、入金を認識しているわけですから、そのこと自体には問題はありません。

それでも、担当者としては、改めて本人確認を行うようにしてください。特に在留外国人であれば、在留期間を徒過とかしていないか確認が必要です。

そのうえで、任意のヒアリングとして「これまでも定期的に母国から送金はあったのですか」「毎回、どれくらいの金額を受け取っていらっしゃるのですか」「お送りくださる方はご家族ですか」といった質問を行いましょう。

当該送金が定期的に行われているものか、送金者との関係性はどのようなものかヒアリングを行い、疑義がある回答しか聞かれなかった場合には、払戻しを拒絶するところまでいかなくても、疑わしい取引の届出は検討すべきでしょう。

送金者を知らない場合さらなる注意が必要