バンクビジネス
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ROE(自己資本利益率)とROA(総資産利益率)。これらの財務分析指標は、企業の経営効率性を分析する指標です。例えばROEは、一般的に8%以上は欲しいと言われていますし、ROAは、飲食サービス業なら3.4%というように業種によって指標があります(経済産業省が毎年「企業活動基本調査速報」として公表)。 

これらの指標を比較しながら企業価値を測っていきます。しかし、「ROEやROAは証券系の投資家目線の指標であり、しかも上場企業クラスの取引でやりとりされるものでしょ。自分の担当先では、ちょっと…」という声が聞こえてきそうです。そう、そのとおりです。 

多くの金融機関がかかわっている中小企業との融資取引では、ROEやROAは正直あまり縁がありません。もっと言えば、コロナ禍で担当先が赤字になっている中小企業ばかりでは、黒字前提のこれらの財務分析指標はまさに猫に小判です。 

ROEとROAを理解する