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金融実務の基本となる預金や為替業務の手続きのほか、それらにかかる関連法制の概要や背景にある規定などについて、毎回クイズを出題します。解答のための解説を読んで実務に役立てましょう!
【預金編】成年後見人は被成年後見人の財産に関する法律行為のうちどんな権利が付与される?
ア 包括的な代理権および取消権
イ 包括的な代理権、同意権および取消権
成年後見制度とは、知的障害、精神障害、認知症等によって契約等の法律行為における意思決定が困難になった人の身体や財産等の権利を擁護する制度です。
成年後見制度は、法定後見制度と任意後見制度、および成年後見登記制度から成り立っています。任意後見制度に関しては前回解説したので、今回は法定後見制度について解説します。
法定後見制度は、本人が認知症や精神障害、知的障害等によって判断能力が不十分になった場合に、家庭裁判所によって選任された成年後見人等が本人を法律的に支援する制度です。
法定後見制度は、本人の判断能力に応じて①後見、②保佐、③補助という3つの類型に分けられ、「成年被後見人」、「被保佐人」、「被補助人」と呼ばれます。以下ではそれぞれの定義について紹介します。