バンクビジネス
(画像=lielos/stock.adobe.com)

相続手続きにおいては、正確な事務に加えて遺族の心情をできるだけ理解し、お客様の気持ちに寄り添うということも大切です。まずは遺族の心情や状況を知ることでグリーフケアを意識した心構えを身につけましょう。

監修 井手 敏郎
公認心理師
一般社団法人 日本グリーフ専門士協会 代表理事

金融機関におけるグリーフケアを意識した心構え

昨今、金融機関の相続時の対応によって遺族が傷つくケースは少なくありません。その原因の多くは、「遺族の気持ちを無視した配慮のない言動」です。書類のミスを防ぐことや言葉遣いなどの表面的な対応以上に、お客様と金融機関との行き違いが生じる決定的な原因は、遺族の心や身体の状態(グリーフ/GRIEF)の理解不足によるものと言えます。

グリーフとは、「悲嘆」と訳される言葉です。その最たるものは死別でしょう。死別は、私たちの「感情」「身体」「社会」「精神」の4つの側面に影響を及ぼします。

感情への代表的な影響はいうまでもなく哀しみですが、つらさ、苦しさ、不安、空虚感、または腹が無性にたつことや自分を責める罪悪感を抱えることもあります。平静に見える方でも、その奥には哀しみを抱えていることを意識しましょう。