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金融機関がお客様に保険を提案する「保険窓販」では、ニーズを踏まえ、十分に理解し満足してもらったうえで契約できるよう、説明や提案に配慮することが欠かせない。
お客様にとって「納得の保険窓販」を実現するために、ニーズの聞き出し方や、ニーズに合わせた説明・提案のポイント、次につなげるアフターフォローの進め方を解説する。
コロナ感染の入院給付金や円安時の外貨建て保険の問合せも想定し対応しよう
保険窓販は社会情勢の影響を常に受ける。昨今注目が高まっているのは、新型コロナウイルス感染に伴う医療保険の入院給付金や、円安を背景とする外貨建て保険の取扱いであろう。
これまでは、新型コロナ感染と診断され、保健所等の判断により宿泊施設や自宅での療養となった場合、「みなし入院」として入院給付金の支払対象となっていた。これに関して金融庁は9月1日、支払対象を見直すことを生命保険協会に要請した。
要請を受けて保険会社は、「65歳以上の人」「入院を要する人」「重症化リスクがあり、新型コロナ治療薬の投与または新型コロナ罹患により酸素投与が必要な人」「妊婦」などの重症化リスクが高い人に支払いを限定する方向だ。細かな対応方法は保険会社によるものの、早ければ9月下旬から見直すという。
金融庁の要請では、保険会社に向けて、保険請求時の手続きを簡素化することも求めており、請求手続きの変更が見込まれる。
入院給付金の判断や手続きの対応自体は、保険募集を行う金融機関の役割ではない。それでも、見直しの移行期にはお客様からの問い合わせが増えることが想定される。金融機関の担当者も、質問を受けたときに該当する保険会社への確認を促すなど、問い合わせへの対応を準備しておくべきだろう。