融資にも経営支援にも役立つ!財務分析の基礎&実践法
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Q B/Sの運転資金構造を分析すると、企業のどのような課題を見つけられるのでしょうか。

A 所要運転資金の大きさや傾向を見ることで、ビジネスモデルの特徴を知ることができます

本連載ではB/Sを右側の「調達」左側の「運用」と捉えて分析してきた。今回も同様にB/Sの分析手法4つ目「運転資金構造」を見ていこう。事業と密接に関わる分析であり、経営改善に取り組むうえでも有用だ。

企業は基本的に、事業を進めるなかで「仕入れ→販売→代金回収」のサイクルを繰り返す。仕入れから回収までに恒常的に生じる資金のズレを埋めるために、運転資金を必要とする。この「所要運転資金」のために借入れも行う。

所要運転資金は基本的に、「売上債権+棚卸資産−買入債務」で計算できる。この内訳は、運転資金の未回収グループ(売上債権・棚卸資産)から未払いグループ(買入債務)を引いたと考えるとイメージしやすい(図表1)。

近代セールス
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