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- 銀行員の質問
- Q 中小企業では請求書等の様式や作成方法は様々だと思いますが、インボイス制度に対応するために企業に対してどのようなアドバイスをすればよいのでしょうか?
A 請求書・納品書・領収書といった書類の様式は様々だ。市販の書式での手書き、エクセルなど表計算ソフトでの作成、パッケージソフトや自社開発ソフトでの作成などが存在する。また、小売業や飲食業ではレジシステムが多く使用されており、この様式も多岐にわたる。
現状で、インボイスの記載要件を完全に満たしているものは、皆無に等しいと思われる。例えば、取引金額の合計や適用される消費税率の記載がないケース、さらには消費税額を表示していないケースもあり、インボイス制度に完全に対応するためには様式変更が不可欠といえる。
市販の書式に手書きする場合は、様式への対応は簡単だが、実際に記入する際はその都度電卓で計算する必要があり、誤った計算をしてしまう可能性がある。また、記入する者が1人とは限らず、社内での教育が継続的に必要となるケースもあろう。
次に、エクセルで作成する場合を考えてみよう。手書きより間違いは減らせるだろうが、これもお勧めできない。計算式が間違っていたり、当初は正確だったとしても誤って削除したり、計算結果と表示される数値が違ったり、印刷時に文字切れが起こったりするなど、問題は手書き以上に潜在してしまうからだ。