
(画像=anu/stock.adobe.com)
Q 築年が古い担保物件を見るときに見落とさないよう気を付けるべきポイントはありますか?
A アスベストをはじめとして、心理的瑕疵、土壌汚染といった「見えないリスク」に注意しましょう。
担保不動産の評価額に影響するリスクには、目視や資料からは判断できない「見えないリスク」がある。旧民法570条の「隠れた瑕疵(かし)」に該当するといえよう。
まず、瑕疵を取り巻く法規制を整理しよう。2020年4月の改正民法により、不動産売買における瑕疵担保責任は契約不適合責任へと変わった。売主側の責任は一層強まり、瑕疵があった場合は損害賠償に加え、代金減額も請求されることとなった。
こうした背景を踏まえ、不動産売買では物件の瑕疵の情報を公開し、価格面の調整や責任のあり方を明文化する必要性が高まった。つまり不動産の瑕疵は、法改正前よりも厳密に価格に反映されるようになったのだ。
担保物件の評価では、物件の瑕疵に関する知見は極めて重要である。今回は、特に影響の大きい3つの瑕疵として、①心理的瑕疵、②アスベスト、③土壌汚染の注意点を解説していこう。