第一線で働く行職員が金融業界に問題提起!Financial Voice
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事務の集中化と引換えに失うものにも目を向けよ

金融機関の収益環境が改善しない昨今、内部でコストを削減すべく事務を本部に集中する取組みが加速している。目的だけを優先せず、金融機関内外の影響を加味した考えが求められる。

国内の経済停滞や低金利の常態化により、金融機関の貸出金利息収入は減り続けている。当面、収益環境は好転しそうにない。

そこで事務業務を効率化して経費を削減するために、営業店が担っていた事務業務を本部に集中させる金融機関が相次いでいる。融資の情報登録や書類の点検、為替の帳票処理など、集中化する業務の範囲は金融機関によって様々だ。社内の業務プロセスを改革する「BPR」の一環と位置付けて強力に取り組んでいる金融機関もあり、資金利益減少の対策として一定の成果を上げているのだろう。

事務を本部に集中化していけば、経費削減だけでなく、帳票の誤廃棄や業務知識不足によるオペレーションミスといったリスクの低減も期待できる。営業店にとっても、事務負担を軽減した結果、営業活動の時間をより多く確保する、事務部門から営業部門に人員を多く投入する、省スペース化できるといったメリットが考えられる。

金融機関内外に思わぬデメリットも