実務に関わる改正内容を理解し取引先への情報提供に努めよう
(画像=PIXTA)

Q 新規開拓した取引先から融資申込みがありました。どんな点に気をつけて稟議書を作成すればよいですか。

A 担保・保証に頼らない事業性評価を意識し、具体的な根拠を示した将来の業況予測や支援策が必要です

今回は新規取引先の稟議書の書き方を取り上げたい。新規開拓の見込先として、信用格付の正常先下位、要注意先といったいわゆるミドルリスク先を対象にしているケースは多いだろう。優良先に比べて資金ニーズがあり、成約の可能性が相対的に高いためだ。

しかし、こうした企業は担保提供できる資産や信用保証協会の利用枠が乏しい場合が多い。それだけに、与信判断は担保・保証に頼らない事業性評価が拠り所になる。

定性面から見た判断の根拠が重要に

具体例で見ていこう。A社はデザートカップ(プリン・パフェ・ケーキの容器)などプラスチック容器の製造業。製品は包装資材卸売業者を通じて洋菓子小売店などに流通している。決算の概要は図表1のとおりだ。