
(画像=PIXTA)
Biz(ビズ)とは…全国に広がる自治体主導の中小企業支援拠点。専門人材が売上アップに特化した無料コンサルティングを行う
ニッチな新規事業で勝負する
事業者の取組みを否定せずに対等な関係で支援
京都府の北西部に位置する福知山市。大阪・京都・神戸まで車で約1時間30分であることに加え、鉄道や国道が多く、交通の要衝として知られる。また行政による子育て支援事業も充実していることから出生率が高く、子育て世代の移住者も多い。
そんな福知山市に私たちドッコイセ! bizが開設されたのは、2018年1月16日のことだ。売上向上支援の基軸に据えたのは、ニッチなマーケットに着目した支援策だ。背景には、私自身の「経営者としての経験」がある。
私は現在ドッコイセ!bizのセンター長であるとともに、福知山市と隣接する兵庫県・丹波市で170年余り続く家業「西山酒造場」の6代目蔵主でもある。家業に戻った当時は苦しい財務状況だったものの、新規事業への挑戦で立て直しに成功。いまでは国内だけでなく、世界35カ国で取り扱ってもらえるまでになった。
新規事業が成功した要因の1つに、よりニッチな市場での商品展開を目指したことが挙げられる。
例えば焼酎の開発では、よくある芋焼酎ではなく、地元にゆかりのある栗と黒豆を原材料とすることで独自性を強めた。また乳業と提携して開発したヨーグルトは「甘酒ヨーグルト」としてPRし、競争の激しい無糖ヨーグルトの市場を回避。「酒蔵のヨーグルト」という独自性で、商品価値を高めることに成功した。
ニッチ市場で特異性を発揮し注目を集め、事業を総合的に向上させる ―― これこそが私の成功体験であり、センター長として大事にしていることだ。具体的な事例を2つ交え、詳しく紹介していこう。