顧客優遇,優先
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▼今回取り上げる取引先は…

バリアフリーツアーで売上回復したいH社

事業内容:旅行ツアー会社
資本金1,500万円  年間売上高約1.5億円
従業員数15名(パートを含む)
主要顧客はX市を中心とする高齢層

H社は、高齢化が進むX市の商店街に所在する。富裕層向けの大手旅行代理店に勤務した前社長は勤務時の経験を活かしてH社を創業。商店街ネットワークの活用による「一般家庭・グループ向けツアー」や「企業向け海外研修ツアー」で成功した。順調に成長を続けてきたH社であったが、創業後10年を過ぎた頃から企業向け海外研修ツアーの売上が減少し、続いて一般家庭・グループ向けツアーも売上が減少した。前社長は引退し、現社長に売上回復を託した。

現社長は、一般家庭向けツアー売上減少の理由を探るため、かつての一般家庭・グループ向けツアーの顧客名簿を使って近況伺いを郵送した。「体力的な問題でツアー旅行に不安がある」「車いす生活になってしまった」「階段や段差が不安で旅行が楽しめなくなった」など、予想を超える返信が集まり、中には「買物時の大きい物や重い物の持ち帰りが大変」など生活上の悩みを打ち明ける返信まであった。現社長は、H社は愛されているものの「顧客の高齢化」に対応できていないことが一般家庭向けツアー売上減少の理由と考え、バリアフリーツアーを思いついた。

従業員の介護資格取得奨励や、全国のホテルや観光施設、各種移動手段のバリアフリー状況調査を行ったH社の「バリアフリーにこだわった介護資格者同行ツアー」は好評で、売上減少が止まったものの、売上回復には至っていない。バリアフリーに対する顧客要望は百人百様で、すべての顧客要望に対応するのが難しいこともわかってきた現社長は、ある日参加した金融機関の経営者セミナーで「自社売上への貢献度が高い顧客だけ優遇して売上回復した」という事例を聞いた。これに興味を持った現社長は「売上への貢献度が高い顧客を優遇したいが、それ自体、どのように探せばよいかわからない」と悩んでいる。

解説