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2020年代の不確実な金融業界で生き残るため、筆者は旧来型の本流エリートを目指さず、閉じた銀行業界から越境して兼業・副業、学び直しなどに挑戦してきました。そこで、金融機関の内部では得られないチャネルや人脈を構築するという「アウトロー戦略」を勧めてきました。
しかし、皆さんがいざ兼業・副業をしようと思ったときに引っかかるのが所属する金融機関への「後ろめたさ」や「罪悪感」だと思います。そこで今回は、筆者がそれをどのように乗り越えてきたのかを伝えていきます。
筆者はこれまでに、地方金融機関やその関連会社で働きつつ、非営利団体のサポートや執筆活動をしてきました。また働きながら大学院でも学び直しました。すなわち、筆者もこうした後ろめたさや罪悪感を乗り越えた者の1人なのです。私が自分の体験を通じ語ることで、きっと皆さんの役に立つと思います。
まず、後ろめたさの正体を明確化することから始めましょう。仕事とは本来、「何らかの職務=ジョブに就くこと」です。
しかし日本において、特に大企業や金融機関のような大きな組織での仕事とは、特定の職務に就くというよりも、特定の会社のメンバーになることにより大きな意味があります。
すなわち、日本型雇用とは“就職”というよりも、“就社”なのです。日本型雇用がメンバーシップ型といわれるのは、このためです。その本質が浮彫りになるのが、採用や異動です。