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毎月のモニタリング報告で単価と正常運転資金を共有し事業性の評価につなげる
2014年に金融庁が打ち出した「事業性評価」は、今後の金融機関による中小企業評価の主軸となるべきものだが、現場からは「事業性評価と言われてもよく分からない」「基準も何もないため、実際の案件に当てはめることができない」という声も大きい。
確かに、事業性評価に関しては金融庁によるガイドライン等が策定されておらず、各金融機関にその運用が任されているだけに、コロナ禍もあいまって対応に苦慮しているというのが金融機関の実情だ。
また、決算書等の数値に表れない点を評価することと、情実判断・情実融資との線引きは簡単ではない。だからといって事業性評価を規定や基準でしばり過ぎれば、「その規定のみクリアすればよい」というモラルハザードの原因になる。
そのような現状の中でも、筆者は事業性評価の趣旨に合致した融資は十分に可能であると考える。以下では、事業性評価の意図を確認しつつ、実際に事業性評価融資につながった事例を挙げたい。