近代セールス
(画像=buritora/stock.adobe.com)

Q 高齢のお客様と関係を構築したいと考えています。相続を念頭にアプローチをしたいのですが、どのようにアプローチすれば良好な関係を築くことができますか?

A お客様は高齢になるほど、自分が持つ資産を子どもや孫に譲り渡す方法や、相続税対策など、相続に関連した具体的な悩みを抱えることが多い。中小企業のオーナーともなれば、将来の経営や後継者にも悩むだろう。

高齢のお客様と信頼関係を築くうえで重要なのは、こうした悩みを解決するアプローチを実践することだ。そのために金融機関の担当者ができることを確認していこう。

まず大事な視点として、お客様には財産を将来譲り渡す家族がいるという点を意識してほしい。相続を念頭にアプローチすることは「家族の重大なテーマと向き合うこと」と言ってもいいだろう。

はじめにアプローチするのは高齢のお客様だとしても、家族と関係を築くことも重要になるのだ。それを意識せずに金融商品などの金融機関都合の提案ばかりしていては、関係を損ないかねない。もちろん、相続後の家族との付き合いも難しくなる。

ただ、上手に信頼関係を築くことができれば、相続をきっかけとしたアプローチは金融機関にとってメリットが大きい。相続の話題を知るプロセスで、お客様の資産全体の状況、家族構成、家族それぞれの現状や悩みなど、金融機関の担当者が把握しづらい課題を聞けるからだ。

そうして聞いた課題を解決するという観点で資産運用のニーズを掘り下げられると、結果的に提案につながっていく。お客様本人はもちろん、必要に応じて家族も交えて話し合うことが有効だろう。

長期的な視点を持ってお客様の悩みに応えよう