プラン,PLAN
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バンクビジネス
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今回は、運転資金について説明します。運転資金とは、企業活動をするうえで必要となる資金のことです。

企業活動は、原材料・商品の仕入れ↓製造活動↓製品や商品を物流・保管↓販売という流れをたどります。そのため原材料や商品、製造活動にかかる代金の支払いが先に生じて、そのあとに売上高が入金になります。

このように現金の支払いが先行し追って入金となることから、企業はこの間に必要な資金を確保する必要があります。この資金が運転資金です。

運転資金は、「売上債権+ 棚卸資産-仕入債務」という計算式で算出できます(図表1)。なお売上債権は「売掛金+受取手形」、棚卸資産は、「商品+製品+半製品+仕掛品+原材料等」、仕入債務は「買掛金+支払手形」で計算できます。

運転資金額が増加する理由は、

①売上高の増加
②売上債権の回収期間の長期化
③在庫の増加
④仕入債務の支払期間の短期化

です。例えば「①売上高の増加」局面では、先行して原材料・商品の仕入れや在庫の増加が生じるため、業績が好調であっても資金不足が生じることがあります。

また「③在庫の増加」については、新たな需要を見越しての積極的な増加であればよいですが、需要が減退して在庫が積み上がるなど、消極的な理由による場合は、現金化されない不良在庫が増えてしまっている可能性があるため、注意が必要です。

「②売上債権の回収期間の長期化」や「④仕入債務の支払期間の短期化」については、取引条件が変化した理由に注意しましょう。

それでは、ここからは実際の企業の貸借対照表等の数字をもとに、運転資金について見ていきたいと思います。

今回取り上げるのは東レ株式会社( 以下「東レ」) です。東レは、繊維や樹脂等の素材を製造・販売しています。東レの提供する製品や素材の用途は、衣料品、自動車・航空機の部品、通信機器、住宅、医薬品・医療機器など非常に多岐にわたっています。

私たちが日常生活で触れるものにも、東レが製造した製品や素材がいたるところに使われていると考えられます。このような事業を展開している東レについて、数字の面ではどのような特徴があるのかを見ていきましょう。

東レの貸借対照表(図表2)から運転資金を計算すると、「売上債権(576867百万円)+ 棚卸資産(469316百万円)-仕入債務(327454百万円)=運転資金(718729百万円)」となります(図表3)。

仕入から売上入金までの日数がわかるCCC