バンクビジネス
(画像=kai/stock.adobe.com)

ここでは、金融機関に継続的顧客管理の強化が求められるきっかけとなったFATFによる第4次相互審査について解説します。

1 FATFってどんな組織?どんな活動をしているの?

FATF(Financial Action Task Forces:金融活動作業部会)は、マネー・ローンダリング・テロ資金供与対策やテロ資金供与対策(以下、マネロン等対策)の政府間会合の名称です。マネロン等対策における国際協調を推進するため、1989年のアルシュ・サミット経済宣言を受けて設立されました。2001年9月の米国同時多発テロ事件発生以降は、テロ資金供与対策の推進を、2012年のFATF新勧告の公表以降は大量破壊兵器の拡散金融対策にも指導的役割を果たしています。現在、日本を含むOECD加盟国を中心に、37の国・地域及び2つの国際機関が参加しています。

主な活動内容は、マネロン等対策に関する国際基準(FATF勧告)の策定、参加国によるFATF勧告の遵守状況の相互審査など。2012年2月に、従前のマネロン対策の「40の勧告」、テロ資金供与対策の「9の特別勧告」を新「40の勧告」に全面改訂し、マネロン等対策を一元的に取り扱うものとされています。直近では、2021年8月30日に第4次対日相互審査報告書を公表しました。

2 FATF第4次相互審査はどのように行われたの?