
(画像=mapo/stock.adobe.com)
ここでは、本部から個人顧客に関するアラートがあった際、営業店に求められる対応について解説します。
1 継続的顧客管理の本質と高度化に必要なこととは?
2021年8月に公表されたFATF第4次対日相互審査の報告書では、取引時確認などの口座開設における取組みはともかく、その後の継続的顧客管理については不十分との指摘がなされました。
継続的顧客管理とは、取引開始後の顧客情報の更新や、取引内容のモニタリングを行い、金融機関が把握する顧客情報と著しい乖離があった場合には、顧客リスク評価を見直しそれに適合するリスク低減措置を講ずるといったプロセスのことです。
継続的顧客管理を行う本質的な意味は、その預金口座がマネロン犯罪などに悪用されていないことを確認し続けることにあるといえます。
そのために、口座名義人自身が利用していること、つまり第三者に口座が譲渡されていないことや、想定されていなかったような不自然な入出金や送金などの動きがないことを断続的に確認していくことが大きな目的であると考えられます。