基礎&実践で身に付く!中小企業の決算書分析入門
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貸借対照表と損益計算書の勘定科目などを詳しく見ていく前に、それぞれの仕組みや両者の関係性といった基礎的な要点を解説していく。


本稿では、決算書の仕組みや資料同士の関係といった基本を解説していく。

第一に決算書とは、主に貸借対照表と損益計算書のことである。貸借対照表はある時点での会社の財務状態を表しているため、例えば決算期が9月の会社の場合、2021年度の貸借対照表には「22年9月30日時点」での財務状態が表されている。

一方で、損益計算書は一定期間(通常は1年間)における会社の事業の成果が表されている。先ほどのように決算期が9月の会社なら、21年度の損益計算書には「21年10月1日から22年9月30日まで」の1年間における事業の成果が表されるというわけだ。

たとえ貸借対照表の内容が良くても、損益計算書にまとめられた事業の成果が良くなく、赤字が続くようなことがあれば、貸借対照表の内容は悪くなっていく。逆もまた然りだ。

決算書を読む際は、貸借対照表と損益計算書の両方を関連付けて見る必要があることを覚えておこう。

貸借対照表は資産と負債・純資産が均衡